フリースタイルリブレでダイエット

非糖尿病人が時々血糖値を測りながら、健康的な食事法(ダイエット)を目指します。

【フリースタイルリブレ】センサーパックに採血用の電極がついている訳

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現在、医療機関や調剤薬局などでフリースタイルリブレを購入する際、センサーの単体販売の他に、「センサーパック120」というセンサーと電極がセットになって売られている商品があります。こちらは1箱にリブレ用センサーが2個と電極が30枚入りが4箱、合計120枚のセットになっているのですが、実質はセンサー2個分の価格のみの値段設定になっており、電極が「無料」になっていることになっています。

 

センサーが測っているのは間質液内の糖濃度

フリースタイルリブレは、ご存知ない方もおられるかもしれませんが、実は厳密にいうと、通常の穿刺して血液内の糖濃度を計測する「血糖値を測る機器」ではありません。リブレは「血糖値も測れる、間質液内の糖濃度を測る機器」となっています。(穿刺でケトン体を測ることも出来ます)

24時間連続糖濃度計測が出来るリブレ専用センサーは、2週間の使い捨てになりますが、このセンサーは血糖値を測っているのではなく、小腸から吸収されて毛細血管内に移動した糖(グルコース)が、更に血管から細胞間にある間質液内に移動してきた所の糖濃度を計測しているのです。

SNSなどで拝見していると、実際にリブレをつけている方の中にも「今までの血糖値と数値が違う」や「リブレの数値が高すぎる」、逆に「リブレの数値が低すぎる」と投稿されている方がいらっしゃいますが、そんな時こそ電極(チップ)を使った計測が必要となります。

リブレは血糖値を計測している訳ではないので、特に今まで他社の機器で末梢血の血糖値を測っていた方の場合、比較する数値の対象が異なってしまいます。そんな方のためにも無料設定で電極が付いているのではないかと思われます。

計測対象が異なるために電極がついている

フリースタイルリブレのセンサーは、間質液内の糖濃度を測っている特性があるため、食べる(糖質)→ 小腸に到達 → 毛細血管に到達 → 細胞間の間質液内に到達、となってようやく数値が上がってくる訳ですが、毛細血管から間質液内に吸収されるまでに数程度のタイムラグが発生します。

アボットジャパン社の公式サイトでも、通常(健常な方で)5分~10分くらいのタイムラグが生じると紹介しています。しかしそんな時、電極があれば自分でもその時間差をだいたいですが、計測して把握することが可能です。

また、リブレのセンサーを装着した直後は、数時間~数日程度、計測値が安定しない場合があります。その場合にも血糖値とリブレ値を比較することによって、数値計測が安定してきたかどうか(血糖値とリブレ値が同じくらいになっているかどうか)、またはセンサー不良なのかどうかを調べることできます。

また、リブレ値と血糖値に大きな差が開く方がいます。この場合、センサー不良も考えられますが、インスリン抵抗性が高い方の場合、間質間の糖(グルコース)が、細胞内に入っていきにくくなり、飽和状態になる場合があります。血管から間質内にはスムーズに移動していくのに、細胞内に取り込めない方がいます。この場合もリブレ値と血糖値に大きな差が生じます。血糖値はそんなに高くないのに、リブレ値がとても高い場合、インスリン受容体の供給が悪くなると細胞内に糖を取り込むことが出来ませんので、間質間の糖濃度が飽和し、リブレ値が高くなってしまうのです。このような症状を自身でチェックすることが出来るのも、センサーと電極の両方がセットになっているおかげだと思っています。

センサー2個を電極付きパックで販売する理由

2018年10月現在で、アボットジャパン社が販売している「リブレセンサーパック120」(商品名)は、センサー2個と電極120枚のセットになっており、商品価格設定はセンサー代のみの約16000円前後(税抜)の設定で、血糖値を測るための電極(チップ)は「無料」で付いている設定となっています。

それはセンサーが血液内の糖濃度を計測しているのではなく、間質液内の糖濃度を計測しているので「糖の移行時間によるタイムラグ」を計測する為だと私は解釈しています。

アボットジャパン社の公式サイトでも、このタイムラグについての解説がされており、移行時間の個人差は人によって結構な差がある為、(何故、差が発生するかは、別カテゴリーでまたお話したいと思います)を確認する事を推奨しています。

その為に、センサーとチップをセット販売して、血液での計測が120回出来るように無料で付けていると思われます。通常、電極1枚の定価は100円程度すると考えられますので、12000円分のおまけをつけていることになります。

仮に「センサー1個にチップを60枚付けて売る」となると、手間や梱包代などを考慮すると利益が大変少なくなってしまうことが想定され、経費回収さえも難しくなるのでは?と考えられるので、「2個のセット販売」をしているのでは?と考えています。

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東京都墨田区の武井薬局さんでは、通信販売はされていませんが、対面販売であれば購入出来るようです。

その他にもアマゾンや楽天市場内でも通信販売にて売られている店舗があります。医師による処方箋がない場合は全て自費購入になります。

医師の中に「誤差だ」という方がいますが

リブレに関するブログやSNSの投稿を拝見していると、時々リブレ値と血糖値の数値の大きな差を単純に「センサーの誤差だ」と書いているのを見かけることがあります。医師である方の投稿でも書かれていたことがあり、ちょっとびっくりしました(笑)

確かにリブレの数値は単純ではない部分があり、血糖値を穿刺だけで測るのとは勝手が違いますから、自分でリブレを装着した経験がない医師だと、患者の数値に差があると「センサー不良だ」と思うのでしょうね。実際、糖質量を測りながら食事して、血糖計測の記録を取るというのは大変手間のかかることですから、そこまでやっていない内科医も結構いるかと思われます。(だから今もリブレを取り扱う病院が余りないのでは?と思います)

しかし、よくよく記事を拝見していると、長く糖尿病を患っておられたり、境界型ではあるが投薬などは受けていない方であったり、インスリンの分泌そのものに問題がありそうな方のケースであったりする場合だったりします。

また糖尿病でない方で、厳しい糖質制限をされている方などの場合、耐糖能が低下しているのでは?という方についても大きな差が生じるケースが見受けられます。(私が実際そうでしたので)そんな場合にも、注意深くリブレ値と血糖値の差を監視していく必要があります。

4週間分のセンサーにつき120枚ということは、2週間のセンサーで60枚。1週間あたり30回は測って欲しいというくらいの枚数が同梱されているということですから、1日3回程度の穿刺チェックはして欲しいというところではないでしょうか?

電極でチェックするためには穿刺器が必要

電極が市販されていないように、穿刺器もなかなか手に入りにくいものとなっています。注射針と同じように、医療機器になりますから市販されていないと思われます。

でもセンサーが自費で買えるよな形で売られてるのは何故?(笑)おかしな話ですが、センサーの針は金属ではないプラスティックの様なシリコンの様なものになっているので、何らかの形で医療機器の規定からは外れているのではないか?と思われます。

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私は穿刺器は針を交換するタイプを使っており、リブレを購入する以前に、プレシジョンNEOの機器を買う際、一緒に個人輸入で購入しました。穿刺回数が多い人はやはり針だけを交換する方がコスト的に安くなります。しかし、通常国内では医師の処方箋がないと、穿刺器本体と使い捨て針を購入することが出来ません。

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しかし、ポケットランセットという針と本体が一体になったこの型の穿刺器だと、センサーと同様に処方箋なしで、薬局や通販で自費購入出来る様になっています。少し割高にはなりますが、衛生上、どのみち針は1回の使い捨てになりますので、コンパクトに持ち歩けるポケットランセットも便利な穿刺器だと思います。