フリースタイルリブレでダイエット

非糖尿病人が時々血糖値を測りながら、健康的な食事法(ダイエット)を目指します。

【糖質リハビリ②】耐糖能低下がみられるときの糖質の摂り方について

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糖質リハビリ①では、厳しい糖質制限を止めてから、まずどのような種類の糖質を摂り始めたかについてご紹介しました。耐糖能が低下しているときの、少しの糖質摂取で高血糖を起こすことを避けるため、糖質の種類と共に気をつけたい、糖質の摂り方についてもご紹介します。

 

耐糖能の低下の状態とは

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糖質リハビリ①では、高血糖を抑制するため

「少量の糖質から少しずつ摂取量を増やす」

「まずは単糖などの吸収の早い糖質を選ぶ」

ことをお話しました。厳しい糖質制限を長く行ったことで耐糖能が低下していた私に、糖質制限による不調を診てくれた医師にまず最初に指導された「糖質制限を止めた直後」糖質リハビリ初期の糖質摂取方法です。

厳しい糖質制限を続け、体内に糖質が入ってこなくなると、体は蓄えている肝臓や筋肉内に蓄えられたグリコーゲンから糖をまかないます。それも枯渇してしまった場合には、中性脂肪を分解して糖の代替えエネルギーを作ります。

これを糖新生といい、作られた代替えエネルギーがケトン体です。

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長く糖質制限をしていると、この代替えエネルギーの方が主たる代謝となり、本来の糖代謝の方が苦手になります。そのため、たまの少しの糖質摂取で高血糖を起こしてしまいます。これが耐糖能低下耐糖能異常耐糖能障害、といわれる状態です。

通常、血中に糖質が取り込まれて血糖が上がると血中の糖を下げるためのホルモンであるインスリンが膵臓から分泌されます。インスリンは血糖値を下げるために、体に色々なサインを送ります。そのひとつに、インスリンが分泌されたことに反応して、血糖を細胞内に取り込むためのホルモン(GLUT4・グルット4)が分泌されます。このホルモンが作用することで血中から細胞内に糖を取り込めるようになり、血中の糖濃度が下がります。

しかし、糖質制限を厳しくしていると、突然の糖質摂取の際にその糖を取り込むGLUT4が十分に分泌されず、糖の細胞内への取り込みがスムーズに行われなず、血中内に糖があふれてしまうことで高血糖を起こします。そのため脳は「インスリンを出しているのに、インスリンが足りていないから血糖値が下がらない」と判断し、さらに大量の追加インスリンが分泌促してしまいます。このように、インスリンがたくさん出ているのに糖が下がらない、スムーズに糖が細胞内に取り込まれない状態「耐糖能低下」と呼んでいます。

普段そんなにお客さんが来ない喫茶店を想像してみてください。個人経営の喫茶店で、普段は常連客が来るのみ。昔は客足(糖質)も多く、ウエイトレス(GLUT4)も数人雇っていたが、今はちらほらなのでマスター1人。しかし、純喫茶ブームで、突然のたくさんのお客たち(糖質)が来店するとどうなるでしょう?お客らは店の外に並び始め、あふれかえります。当然、マスター1人では対応しきれません。長時間お客を待たせることになります。たまの糖質摂取で起こる高血糖とは、そんな状態をイメージしてみてください。

高血糖を避ける糖質の摂り方

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糖質リハビリ①では、厳しい糖質制限を止めてすぐは耐糖能低下の疑いが考えられるため、高血糖を避けながら徐々に糖質摂取量を増やし、体を糖代謝主体に慣らしていけるよう(戻していけるよう)、処理の早い単糖や二糖類を中心に摂るように勧められたお話を書きました。

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穀類や米などのデンプン質を多く含む多糖類は、単糖二糖類に比べ、分解吸収までに時間がかかります。また分解酵素が上手く分泌されない人においては、処理時間にムラが生じ、血糖値が上がったり下がったりを長時間繰り返す方もおられます。(二峰性多峰性状態に)

そのため、最初は分解吸収の停滞による長時間の高血糖を避けるため、処理時間が比較的短く済みやすい単糖や二糖類での糖質摂取で体を慣らすことから始めるようお話がありました。

ただ、単糖や二糖類も厳しい糖質制限を行われた方の場合、ごく少量でも即高血糖を起こす場合があります。高血糖を起こすと、その度合いにもよりますが、非糖尿病や境界型糖尿病の方の場合、大量のインスリン分泌がおこり、そのため低血糖を起こすことがあります。(反応性低血糖、機能性低血糖

急激な低血糖は直接脳に影響することから、意識障害を起こすこともある大変危険な症状です。そのため低血糖は出来るだけ避けないといけませんので、まずは高血糖を出来るだけ抑えるために、少量摂取で高血糖を起こしやすい方については、糖質摂取と同時に軽い運動を行い、摂ることと並行して使うことが抑制になります。

高血糖を起こす前に運動開始

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個人差はありますが、食事を開始してから約30分後あたりから、血糖値はじわじわ上がり始めます。小腸から糖の吸収が始まるためです。血糖値は食べてすぐに上がる訳ではありません。

通常、ある程度のところまで血糖値があがると、追加インスリンが分泌され始め、非糖尿病の方であれば、特に糖質の偏りなどがない食事の場合で、140〜160くらいが上限となる方が一般的かと思われます。(もちろん個人差がありますが)

その上限(ピーク)の位置は、食べ始めて60~90分後くらいになるかと思われます。(少量の糖質摂取で高血糖になりやすい方は、もっと早くピークに到達するかもしれません)

急激な高血糖を抑制するためには、そのピーク時に食後じっと座っているのではなく、食事終了後から軽い運動を開始します。ピークになる前から血糖を使い始めるのです。糖が細胞内に取り込まれずあふれてしまうその前に、軽い運動で体を動かし、あふれる糖を先に使ってしまおうという作戦です(笑)

軽い運動は家事やその場での足踏み程度で構いません。外に出ることが可能であれば、散歩も良いかと思います。私も糖質制限を止めてすぐは、少しの糖質摂取で高血糖を起こしていたので、食事が食べ終わったら、すぐに席から離れて食器洗いをしたり、風呂洗いをしたり、部屋の片付けなど家事をせっせと1時間くらいしたりしていました。

食後にじーっと座ってコーヒーを飲んでる場合ではありませんでした💦

下記のグラフは私の耐糖能低下にあった頃のものです。穿刺のみの計測器しか持っていなかった私は、先生の勧めもありフリースタイルリブレを購入し、計測するようになりました。糖質制限を止め、糖質リハビリを始めて1ヶ月くらい経った頃の状態です。

当時はまだ糖質が少ない食事をしても(この頃で1食100g以下)、食後何もしていないと血糖値は180~200くらいにまで上がっていました。インスリンの出方は解りませんが、食事後2時間後の血糖値も高いですから、この頃はインスリンもだらだら出て、効きが鈍くなっていたのかもしれません。既に糖尿病のような状態に近づいていたとも思える状態です。

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このような状態を避けるために、食後は家事や部屋の片付けを行い、また片付けなどがない時や散歩に出られない時は、テレビを見ながらその場でゆっくり足踏みをしていました。とにかく太ももなどの大きな筋肉を、ゆっくり使うことを意識しました。

激しい運動は逆に体に負担をかけますから、ゆっくりした動きで、急激に心拍数を上げるような運動は避けるようにしました。

糖質リハビリの失敗例

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その昔、同じ時期にこの糖質リハビリ(初期)を一緒に実践している方たちがいましたが、彼女は食事にカレーライスや天ぷらうどんを食べ、食後すぐからエアロビクスを1時間、というちょっと無茶な?方法をされていて

「全然血糖値が下がらない、しんどいだけ!こんなに運動してるのに!」

と言っていました。

運動の強度を上げても、筋肉や細胞内に糖を取り込む量が急激に上がる訳ではなく、高負荷の運動を行っても急激に代謝量は上がらないのではないかと思われます。また、単糖や二糖類の処理の早い糖質を少しずつ摂取していたのであれば、運動による消費は抑制の手助けにはなりますが、彼女はカレーライスや天ぷらうどんなど、大量の多糖類を一気に摂取していました。(しかも単品メニューで早食い状態)

これではいくら運動をしても、高血糖を防ぐことは正直無理です。耐糖能が低下した状態での短時間での高糖質の食事内容では、いくら運動をして抑制しようとしても、処理能力を大幅に超えていたのでは?と考えられます。

糖質リハビリの初期段階では、自身の体の調子を見ながら、糖質の種類と量を調整し、消費吸収具合を考慮して進めることが大切です。特に厳しい糖質制限を長くされていた方については、1〜数週間程度の期間での改善は、正直難しいと思います。

私や同じ程度の糖質制限(1年以上)をしていてリハビリを始めた方たちでは、この初期段階を3〜6ヶ月程度続けて徐々に1日の糖質摂取量を上げていきました。それぞれの最終的な摂取目標量は150-200g/日くらい。中にはなかなか摂取量をあげることが出来ず、1年以上初期段階で足踏みされている方も少なくありませんでした。

私の場合、初期段階ではまだ多糖類は避けていました。個人差はあると思いますが、真面目に厳しい糖質制限をしていた人ほど耐糖能低下は深刻で、かなり厄介なものなんだな…と感じました。

適量をゆっくり時間をかけて食べる

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運動の他にも、食事を摂る際、時間をかけてゆっくり楽しみながら食べることも高血糖抑制に繋がります。フルコースディナーの様に一品一品味わって、一緒に食事を摂る人と会話を楽しみながら時間をかけて食べることで、基礎インスリンも追加インスリンも上手に使うようなイメージで食べれば、急激な血糖値上昇を抑えることが可能かと思います。話をたくさんすることで消費増にもつながります。

私も懐石料理(職場の歓送迎会で)職場の人たちと話をしながら食べた時や、友達との飲み会でおつまみを少しずついろいろ食べながら食事した際は、血糖値がさほどあがりませんでした。(私はおしゃべりな方なので消費も結構あるかと思いますが)

高糖質なメニューを避けながら食べれば、急激な高血糖を回避することは可能かと思います。初期の段階では、コース料理のコーンスープやポタージュスープなど糖質量の高いスープは避け、コンソメスープなどを選び、野菜を多めに摂り、ご飯やパンは食べないようにしていました。

デザートは果物や少量のスイーツなどであれば食べますが、たくさんは食べないようにしていました。たくさん食べた帰りは駅まで歩く、帰宅後は直に横にならないで、入浴したり就寝前に軽いストレッチをするなど食後の消費を上げ、高血糖の持続を避けるよう意識していました。

小分けや頻回摂取も併用する

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運動したり、時間をかけてゆっくり食べる様にしたり。それでもなかなか糖質摂取量が上げられないときは、頻回摂取や小分けにして何回かに分けて食べることで、高血糖を抑制していました。ジュースや砂糖入りの飲み物などを何度かに分けて飲むのであれば、家事や仕事の合間でも可能かと思います。

私は普段は砂糖入りの飲料は一切飲んでいませんが、パックジュースなどは(果糖ぶどう糖液糖ですが)処理が早い糖質なので、日中の家事やデスクワークですぐに消費することが出来ます。また市販のジュースは成分表示欄に糖質量が記載されていますので、糖質摂取量がわかりやすいという利点があります。

また自宅でマイボトルにコーヒーや紅茶を入れて持ち歩いて飲むようにしていました。スティックシュガーで砂糖を足せば、何gの砂糖を摂っているか管理しやすくなります。

食事の時間を空け過ぎないように

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その他、ブドウ糖や氷砂糖、黒糖などを常に持ち歩き、食事と食事の間が長時間空くときは、少量の糖質を摂り、空腹時に糖新生に入らないようにしていました。食間の時間が空きすぎると糖エネルギーが枯渇し、代わりの脂質代謝にきりかわってしまいます。そこへ突然の糖摂取が起こると、急激な糖の吸収が起こるために高血糖を起こしやすくなります。これを避ける為に常に糖代謝になるように、糖の頻回摂取を行っていました。1時間に5g10g程度の糖質摂取であれば、基礎代謝で十分に消費することが出来ます。私の場合は座り仕事中心のデスクワークなので、1時間に1〜2粒くらいの氷砂糖を食べるだけで、空腹時血糖値を維持し、ケトン体を計測しても100以下を維持していました。

※上記の糖質リハビリの内容につきましては、診察を受け指導医の元行いました。

記載と同じ内容を実践されても、全ての方に同じ効果を保障するものではないことをご了承ください。

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