人工股関節置換術の手術も無事終わり、回復期は個室に入れてもらっていましたが、ひとりでトイレに行けるようになったので、大部屋へ移動しました。これからは、自宅に帰ってから日常生活を送る上で不都合がないように、また私の場合は仕事にも復帰できるように、を目指したリハビリに取り組みます。手術後のリハビリを主とした長期入院生活をご紹介したいと思います。
- 術後10日目〜早期退院する人もいます
- 術後11日目〜浴槽の出入りの練習
- 術後12日日〜ひとりでくつ下をはく
- 術後13日日〜階段の昇り降りの練習
- 術後14日目〜屋外コースを歩く
- 術後15日目〜退院が決定
- 術後16日目〜いよいよ明日退院
- 術後17日目〜退院
術後10日目〜早期退院する人もいます
術後10日目になると、早い方だと歩行器を完全に卒業して、杖だけで歩ける人も出てきています。利き足ではない方の股関節を手術をした方、体重は軽いけど筋力はある方、普段から運動習慣があった方、傷や筋肉の痛みに強い方などは、どんどんリハビリが進みます。
退院後の生活に支障がなければ、早期退院は可能かと思われます。
傷口の化膿や炎症などもなければ、以降は通院して投薬での回復が可能になります。自宅に帰ってから、家事は他の家族がやってくれる、仕事をしていない、階段を使わない生活(マンション暮らしなど)、もともと車いすで生活をしている、施設に入っている、本人が早期退院を希望している、などの方は、早期退院をされるようです。(人工股関節の手術をされている方の多くは高齢者なので、実際周囲の方にたずねてみると、復帰目標のレベルが低い方が大半でした💦)
また病院によっては、入院施設の関係などから、全ての患者に対し術後10日程度で退院とし、リハビリは自身で通院等で行ってください、というようなところもあるようです。(リハビリ専門病院へ転院される方もいます)
私が今回入院した国立系総合病院では、標準的な入院期間は3週間(目安)。自宅に返って今までの日常生活にある程度支障なく戻れるまでを退院までに目指します。
私のように50代となると、退院後は家族分の家事までやらなくてはなりませんし、合わせて仕事への復職も目標としますので、復帰目標のレベルは高齢者の方と比べると、かなり高めにはなりますので、退院後の生活に支障なく戻るためには、もう少しリハビリ期間が必要になるかと思います。
術後11日目〜浴槽の出入りの練習
午前の運動機能回復のリハビリでは【T字の杖をついての歩行】の練習を行いました。私が手術まで使っていたロフストランドクラッチの杖はかなり体重をかけることのできる杖ですが、これからは体重をかけない杖(かけられない杖)を添える程度に使用し、元の二足歩行で支障なく歩くことが目標です。そのため、体重をかけない杖を補助的に使う程度にして、手術した方の足に体重をかけて歩く練習を始めました。
また3段くらいの階段を使い、【杖を使った階段の昇り降り】も練習し始めました。
リハビリルームのある1階までは歩行器で降り、室内で杖の歩行を練習しました。
午後の作業訓練のリハビリでは【浴槽に入る】練習を行いました。
杖をついての単純歩行は、日にち薬と慣れでカバー出来そうですね!ということで、明日から次のステップへ進めそうです、ということでした。
術後12日日〜ひとりでくつ下をはく
午前中の運動機能回復のリハビリでは、T字杖を補助程度に使うていどにして、手術した方の足に力をかけながら【距離を少し伸ばして歩く練習】をしました。昨日は30mくらいでしたが、今日はその3倍の90mくらい歩きました。午前中のリハビリの当面の目標は、歩行器から卒業して、杖でしっかり歩くことです。
午後の作業療法士さんによるリハビリでは、手術した方の足を自由に曲げ伸ばし、日常生活に支障なく生活出来るようになることが目標で、今日は【ひとりで靴下を履く練習】をしました。大腿直筋の張りと痛みがまだ取れず、膝をうまく曲げることが出来ないのですが、高さ15センチ位のちいさな台に足を乗せると、少し楽にくつ下を履くことが出来ました。
また傷の方もかなり良くなり、貼っていたガーゼが全部取れました。傷の盛り上がりはありますが、かさぶたも取れて、きれいになりました。
寝ているときの姿勢も、足の間にクッションを挟むと、足の筋肉の突っ張りを感じないようになり、仰向けだけでなく、横向きに姿勢を変えられるようになり、夜もよく眠れるようになりました。(上にしている方が手術した側です)
術後13日日〜階段の昇り降りの練習
今日も午前午後のリハビリでは【T字杖による歩行訓練】を中心に行いました。午前のリハビリでは【距離を伸ばして歩く練習】を。午後のリハビリでは【杖を付いて階段の昇り降りの練習】を行いました。
杖を付いてまっすぐに歩く。実はこれがなかなか難しい。
今まで変形性股関節症を起こしていた方の右足は、軟骨がすり減って1センチ程度短くなってしまっていたのですが、今回手術でこれを治し、左右の長さが揃いました。
しかし私自身の感覚としては手術後【右の方が長くなった】ように感じていて、右脚の長く感じる方に体重をかけることが難しいのです。(右足だけ一段高い段差を歩いているような感覚です)
なので前から立ち姿を見ると(くの字)のように腰位置が曲がり、まっすぐなっていないために、歩きながらだんだん左に曲ってきてしまいます。今までこんな姿勢の悪い歩き方をしていたんだな…と。今後その姿勢の矯正もしながら歩行訓練を行います。
この日は採血とレントゲン撮影も行いました。両方とも以上なし!でした。
この日、お部屋も大部屋(4人部屋)ですが、術後すぐの人ばかりの部屋から、術後だいぶ経った人たちの部屋(通称:「元気部屋」と理学療法士さんたちは呼んでるそう)に移りました。退院まちの人ばかりの部屋なので、痛い痛いと夜中もうめいてる人がいなくなり、やっとゆっくり寝れるようにはなりました。(まだ1人だけは、うるさい高齢者さんはいますけどね💦)
術後14日目〜屋外コースを歩く
T字杖の使い方にも慣れてきて、1階のリハビリ室までは歩行器をつかわず、杖で降りました。痛い側の足に体重をかなり乗せられるようになりました。午前中のリハビリでは、術後初めて外に出て、【屋外の歩行コースを杖で歩く】練習をしました。外はすっかり秋の風になっていました。
10月頭に入院しましたが、すでに月の半ばを過ぎていて、外の冷たい空気に秋の気配を感じました。(入院した日は半袖のTシャツで来たんですよね)ずっと2週間屋内にいると季節感がわかりませんでした💦
屋外の歩行コースは、ちょっとした段差、坂道、コンクリート舗装道、芝生の上、と、人工的に作られています。坂道は登りよりも下りの方が荷重がかかります。気をつけなきゃね。
昼からは畳の上で【座卓のテーブルの前に正座で座る練習】をしました。
私の行った切開方法【前方アプローチ】では、術後の姿勢制限が少なくて正座もOKです。ただし、イナバウアーの様な姿勢や、角度のきつい内股がだめなので、それを避けながら座る練習をしました。
リハビリ後の時間も自由に動けるようになり、洗濯したり、自販機に飲み物を買いに行ったり、談話室に家族に電話しに行ったりが出来るようになりました。
術後15日目〜退院が決定
午前中のリハビリでは再び【屋外の歩行コースを杖で歩く】練習を。
午後のリハビリでは【杖を使わずに手すりを使い、長い階段を昇り降りする練習】をしました。
この日で17日目の朝に退院することが決まりました✨17日目と18日目が週末でリハビリがお休みになることから、19日目の退院予定でしたが、寝てるだけの週末になってしまうので、ならば家で無理せずに自主トレしてみる?ということになり、退院が2日前倒しになりました!やった〜。
この日には再び歯科受診。もう終わりと思っていた歯科受診でしたが、リハビリ中は体に力が入り、食いしばりなどで歯を傷める方がいるそうなので、それがないかどうかの追加の歯科チェックがありました。
また、栄養士さんからの退院後の食事のお話しと、薬剤師さんから今後のお薬の説明があり、痛み止めが2種類から1種類に減りました。念のため30日出してますが、痛みを感じなくなれば、終了してもOKとのことでした。
術後16日目〜いよいよ明日退院
午前中のリハビリでは、屋外コースを歩いた後に、【歩行チェック】を行いました。杖なしでもゆっくり歩けるようになりました。
午後のリハビリでは、座卓に座る(床に直に座る)時などでの【避けないといけない姿勢の再確認】をしました。低めの椅子を使い、椅子から床に座れば内股になりにくいなど、座り方のコツを教えてもらいました。
これで退院に向けてのリハビリも全部終了。まだ杖は屋外では必要ですが、屋内ではなんとか杖なしでも行けそうです。(狭い家だから全然いけそう😅)
今は速度的にはゆっくりしか歩けませんが、私の場合はかなり末期からの手術で、杖を使っていた期間も長かったことから、手術までにかなり姿勢や歩き方に無理がある(問題がある)期間も長かったので、やはり、すたすた歩けるようになるには時間がかかるようです。(まだ高齢者の方よりは早く戻れるだろうがとのこと)
無理せずゆっくり、少しずつ距離を延ばしたり、速度を上げるようにしてくださいねということでした。
夕方には看護師さんが退院処方のお薬を先に持ってきてくれました。明日朝家族が迎えに来たら帰ってOKとのこと。
夕方に主治医の先生も病室まで来られ「もう傷もきれいだから、大丈夫。無理しないで気をつけてね!じゃ、来月外来で!」と最後の挨拶も済み、無事入院中の診察も終了となりました。
術後17日目〜退院
長かった入院生活もようやく終了。朝ごはんを食べて、看護師さんのメディカルチェックも済み「後で事務のものが請求書をお持ちするので、お支払いをお願いしますね。それが終わって、家族さんが来られたら帰られて大丈夫です!」とのこと。
荷物をまとめ、会計を済ませると、息子が迎えに来てくれました。同じ病室の患者さんにもご挨拶。
土曜日でしたので、いつもお世話になった看護助手や掃除の方もお休みで、看護師さんも休日体制で出勤されてる方は少なく、詰め所には誰もおらず(笑)皆さんには昨日挨拶しておいたので、静かに病院を後にしました。
入院日数19日間。杖をつきながらですが、自分で歩いて家に帰ることが出来ました。お世話になり、ありがとうございました。
退院後の生活について、後日アップしていきたいと思います。